当整体院には「病院の先生は、全然話を聞いてくれない・・」「流れ作業みたいに機械的な応対だった・・」など、医師の態度に傷ついた・・という方が沢山いらっしゃるのですが、心当たりがある方も少なくないのではないでしょうか。
不安を抱えた患者の立場からすれば、もっと丁寧に説明してほしい、精神面にも配慮してほしいと思うのは当然なのですが、残念ながら、それを叶えてくれる医師はそう多くはないと思います・・
しかし、それは「構造的に」ある程度仕方がないことなのだろうな・・と、個人的には思っています。
なぜ、対応が冷たく感じる医師が多いのか?
西洋医学は、病気の原因を「物質」に求め、それを前提に発展した医学です。
例えば、感染症の原因は身体の中に侵入した細菌によるもの。
また、あらゆる疾患は、細胞組織がなんらかの理由で病変してしまったことで起こるもの。といった具合に、病気の原因は「実体を持った物質」であると考えます。
そのため、風邪でのどが痛くなれば、ウィルスを抗生物質で排除し、身体の中に腫瘍ができたなら、手術で切除する。いわゆる「対症療法」が生まれました。
つまり、西洋医学は初めから、病気の原因を物質的なものに限定しており、「心のように、数値化できず目にもみえない曖昧なもの」は、そもそも守備範囲の外なのです。
ですから、多くの医師は、患者の精神面については横に置いておき、淡々とクールに仕事をこなしていくわけですが(診察時間も限られてますしね)、それは医師が悪いわけではなく、そもそも西洋医学はそういうものだということです。
一方、東洋医学はこの逆で「病は気から」という言葉があるように、ネガティブな気持ち(心)の状態が病気を作り出しているという前提に立ちます。
当然、精神面のケアも重視するわけですが、それは「前提としている条件」の違いでしかないので、別に西洋医学が悪いとか、そういう話ではありません。
西洋医学が人の心をどう捉えているのかがよく分かる例
西洋医学が、患者の「精神面のケアは重視していない」ことがよく分かる例があります。
これは一般的にはあまり知られていないことかもしれませんが、医師たちの世界(ヒエラルキー)では、精神科の医師は気の毒にも、かなり低く見られているそうです。
(ちなみにこれは、医療関係者の方から伺った話です)
西洋医学とは、そもそも病気の原因は物理的な存在であるという前提の上に成り立っている体系ですから、曖昧で目に見えない心を対象にしている精神科の医師は、異端児ように映るのかもしれませんね。
まとめ
ということで、これまでの話をまとめますと、精神面のケアを医師に求めることは構造的に難しいということです。
中には、あらゆる病気と精神的な問題が関係していることに感覚的に気付いており、親切に対応してくれる医師もいると思いますが、あくまでもそれは少数派でしょう・・
原理的に西洋医学は、数値化でき、目に見える物質を対象にする医学なので、精神面のケアについては、そこまで期待できない(いや、期待すべきではない)ことは理解しておいたほうが無難かと思います。
最初からそういうつもりでいれば、多少冷たくされても、そこまで傷つかないで済みますからね・・
繰り返しになりますが、患者の精神面にあまり配慮しないからといって、西洋医学や医師が悪いわけではなく、あくまでも、心のケアは西洋医学の守備範囲外ということです。
本格的に精神面のケアをしたい人は、その道のプロに依頼することをおすすめします。
手前味噌ですが、「病は気から」と考えている東洋医学もおすすめですよ。
ただ・・残念ながら、東洋医学の世界にも精神面のケアができない人は少なくありません・・
医師が精神面のケアに力を入れられないのは、ある程度理解できるのですよ。前述したように、それは構造的な問題が絡んでいるので。
でも、東洋医学の先生でそこを重視しないのは・・ちょっとどうなのかなと思いますが、まあ仕方ないですね・・
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