薬との付き合い方について。極端に薬を嫌う必要はない

「薬は絶対に飲まない」というこだわりを持っている方がたまにいらっしゃいますが、個人的にはあまり賛成しません。

 

たしかに、薬は飲まないに越したことはありませんが、一定の効果があることは事実ですし、飲んだ方が無難な場合もあります。

 

例えば、当整体院には、婦人科の病気の中で最も痛いとされている子宮腺筋症のクライアントさんが沢山いらっしゃいます。

 

個人差はあれど、この症状を抱えている方々は、生理の度に(場合によっては、生理前後も)かなりの苦痛を味わっています。

 

痛みがひどい時は、仕事に支障が出るため、彼女たちは仕方なく痛み止めを飲むわけです。

 

「薬に頼ってちゃダメだよ」と、訳知り顔で言うことは簡単です。

 

しかし、お金を稼ぎ、食べていくための手段である仕事は、あらゆる事柄の中でも最優先されるのが一般的です。

 

そのため、身体に悪いことは分かりつつも、仕事を続けるために仕方なく薬を飲んでしまう・・という方が多いのだと思います。

 

仮に薬を絶対に飲まないというこだわりを優先したとして、そのせいで仕事の質が落ちたり、痛みのせいで同僚に当たり散らしてしまったとしたらどうでしょう。

 

将来のことを考えれば、いつまでも薬に依存し続けることは避けるべきですが、仕事での失敗から、もし失職でもしてしまったとしたら、悠長に未来のことなど考えている暇はありません・・

薬に助けられた経験

 

リスクを考慮せず、何でもかんでも薬に依存するのは問題ですが、どうしても優先しなくてはならない事項があるのであれば、現実問題として、薬は有効な手段といえます。

 

私事になりますが、だいぶ前に、珍しく風邪をひいてしまったことがありました。

 

朝の時点で、なんだか鼻がムズムズするなと思っていたんですが、夕方から夜にかけて、急に症状が悪化し、さらさらの鼻水が止めどなく出るようになってしまいました。

 

鼻にティッシュを突っ込みながら、クライアントさんと向き合う勇気はなかったので、ずるずると鼻をすするしかありませんでした・・

 

その日はなんとかやり過ごしましたが、これでは、クライアントさんに不快な思いをさせてしまうと判断し、市販されている鼻風邪用の薬を買って帰宅しました。

 

その日の夜は、いつもより長めの半身浴をし、湯タンポを二回変えて寝ました。
しかし、朝目覚めると、昨日よりはだいぶ良くなったものの、まだ鼻水が気になりました。

 

できるだけ、薬を飲みたくないという気持ちはありましたが、そんなこだわりよりも仕事の方が優先です。
気持ちを切り替えて飲んでみました。

 

すると、普段飲まないせいか、これがまた良く効くのです。

 

副作用で、頭がぼーっとする感じはあったものの、一番厄介な症状が落ち着いたので、本当に助かったと思いました。

 

どうしようもない時に頓服的に飲むのであれば、薬には十分な利用価値があると考えてきましたが、今回、改めてそれを実感しました。

 

薬が効いたのは良かったのですが、実はおまけ話があります。

 

鼻水が止まってから数時間後、今まで全く現れていなかったせきが出始めたのです。

 

つまり、鼻水という形である種の毒素の排出を行っていたところを薬で抑え込んでしまったので、他の形で排出するしかなかったのでしょう。

 

そういうことが起こることは分かっていたものの、あまりにも、分かりやすい反応を示してくれたので、ちょっと笑ってしまいました。

 

薬で症状を抑えるということは、こういうことです。

 

治っているのではなく、あくまでも「症状を抑えているだけ」だということを忘れないでください。

 

現実的には、いつまでも薬に依存するのではなく、施術やセルフケアを通じ、根本的に心身を見直していく必要があると考えています。

当整体院のクライアントさんへ

 

当整体院で施術をし、セルフケアも日常化してくると、大抵の場合、薬の量は少しずつ減っていきます。

 

急にやめてしまうと、薬を飲まないことによる不安が強まり、ストレスになってしまう可能性がありますから、焦らずゆっくり減らしていけば良いと思います。

 

そして、たまに辛い時があって、何か優先事項があるのであれば、その時は開き直って薬を利用しましょう。

 

薬に依存することは問題ですが、上手に薬を「利用する」ことができれば、一時的に生活の質を向上させることができるはずですからね。

 

できれば、いつか薬を手放せるようになることを目指し、それまでは、自己責任で上手に付き合っていきましょう。

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