頭熱(のぼせ)状態が慢性化すると、なぜ危険なのか?

「頭熱」とは、頭(脳)に血液が集まり、のぼせが慢性化している状態のことです。

頭熱(のぼせ)の原因を掘り下げてみると、その背景には必ずと言っていいほど、「ストレスからくる自律神経の乱れ」に行き当たります。

交感神経とストレスの関係

 

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの異なる神経系によって支配されていますが、不安や恐怖、怒りなどのストレスを感じると、交感神経が優位になります。

 

交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれています。

私たちはストレス状態に陥ると、その危機的な状況を「戦って乗り越える」か、「身を守るために逃げ出す」かの判断を迫られます。

 

交感神経は、脳に血液を送り、とっさに適切な判断を下せるよう促したり、全身の筋肉に大量の血液を送り、戦うことも逃げることもできるように準備を整えます。

 

ストレスを受ける度に、戦うか逃げるかの準備をしているなんて、私たちの身体はずいぶん大げさな反応をしているように思えますよね。

しかし、この反応の理由は、私たちの祖先の暮らしについて考えてみると理解できます。

交感神経の過緊張が頭熱状態を慢性化させる

 

大昔、私たちの祖先が森や野原で狩猟をしていた時代には、危険な動物と遭遇してしまい、とっさに「戦うか逃げるかを判断し、行動しないと死んでしまう!」という状況が実際にあったんです。

 

そして、なんとも不可思議なのは、現代人がストレスを受けた時の身体の反応は、野原で狩りをしていた頃から、あまり変わっていないと言われていることです。

 

つまり、現代人である私たちがストレスを受けた時も、まるで目の前に危険な動物が現れたかのように、脳や全身の筋肉に血液が供給され、強制的に闘争・逃走モードに切り替わってしまうわけです。

 

しかし、ストレスのせいで一時的に交感神経が優位になったとしても、通常であれば、時間の経過によって頭に上った血液は下がり、全身の緊張も緩むはずですから、特に問題はありません。

 

問題なのは、ストレスが多い環境に長い時間さらされている方や、気持ちの切り替えができず、ストレスを引きずってしまうような方の場合です。

 

なぜなら、そのような方々は、交感神経のスイッチをうまく切り替えることができないため、頭に血が上り、全身が緊張した状態(闘争・逃走モード)が慢性化してしまうことがあるからです。

 

臨床的にも、慢性的に頭熱(のぼせ)状態になっている方は、交感神経系が優位になっていることがとても多いです。

つまり、「頭熱(のぼせ)状態と交感神経の緊張(自律神経の乱れ)は、密接な関係がある」ということです。

交感神経が優位になることで起こる胃腸と睡眠の問題

 

交感神経のスイッチが入りっぱなしということは、身体は常に「闘争・逃走モード」ということです。

具体的には、頭に血が上り、心拍数、血圧、血糖値が上がり、呼吸が早くなり、全身は緊張状態になってしまうわけですが、少し想像しただけでも、身体の負担は相当なものになることがお分かりいただけると思います。

 

この他にも重大な問題があります。

実は、交感神経と副交感神経はシーソーの様な関係にあり、どちらか一方が働いている時には、もう一方は休んでいます。

 

つまり、交感神経が優位になっている時、副交感神経は活動することができないわけです。

副交感神経は、「休息と消化活動の神経」と呼ばれています。

 

つまり、副交感神経が正常に活動できないと、「胃腸の消化活動や睡眠の問題が起こる可能性が高い」わけです。
(胃腸と睡眠に問題を抱えている方は、自律神経が乱れている可能性が高いということでもあります)

 

自律神経が正常に働いている時であれば、日中は交感神経のスイッチが入ることで活動的になり、夜になると、副交感神経にバトンタッチし、消化活動や心身の休息時間にあてるというサイクルにそって、活動と休息のバランスが保たれています。

 

しかし、交感神経優位の闘争・逃走モードのスイッチが入りっぱなしでは、内臓の機能が低下し、十分な休息さえ取ることができません。

頭に血が上ることによって起こる物理的な問題

 

慢性的な頭熱状態により、充血した脳内は圧力が増していき、神経や血管を圧迫してしまうことがあります。

その結果、血流が悪くなり、脳内の細胞に十分な酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。

 

脳という器官は、身体の中で最もエネルギーを消費する器官ですから、この状態が続けば脳のパフォーマンスは低下し、あらゆる問題を引き起こす可能性があります。

 

病院に行っても原因不明と診断されてしまう、いわゆる「不定愁訴」と言われる症状の多くは、脳の問題が原因となっている可能性が高いと考えています。

 

この状態が慢性化してしまうと、さらに厄介な病気になってしまう可能性があります。

頭熱(のぼせ)状態が慢性化すると危険な理由のまとめ

 

頭熱(のぼせ)状態は、結果的に現れた症状に過ぎない。

その背景には、交感神経系が優位になり過ぎるタイプの自律神経失調症が隠れていることがとても多い。

交感神経系が優位になると、頭に血が上り、心拍数、血圧、血糖値が上がり、呼吸が早くなり、全身は緊張状態になる。(闘争・逃走モード)

また、副交感神経の活動が抑制されるため、内臓機能は低下し、十分な休息を取ることができなくなる。

物理的な問題としては、慢性的な頭熱状態により充血した脳内は圧力が増していき、神経や血管を圧迫してしまう。

 

結果的に、さらに厄介な病気にエスカレートする可能性がある。

※ちなみに、自律神経をコントロールしているのは脳の中の視床下部という場所ですが、この視床下部はホルモンの分泌もコントロールしています。
そのため、自律神経が乱れている方は、高い確率でホルモンのバランスも崩しています。

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