現代人が無自覚にエネルギーを消耗してしまう習慣について

こちらの記事で、病気を根本的に改善するためには、エネルギー不足が慢性化してしまうようなライフスタイルを見直す必要があるということを述べましたが、そもそもなぜ多くの現代人はエネルギーが不足してしまうのでしょう。

 

私はエネルギーが不足してしまう原因を、「大まかに2つ」に分けて考えています。

 

1つ目は、特定の臓器に負担をかける習慣によって、自覚なくエネルギーを消耗し過ぎてしまうケースです。

 

スマホで動画を長時間見続けていると、みるみるバッテリーを消耗してしまうように、特定の機能(臓器)を酷使し続ければ、身体全体のエネルギーもどんどん消耗していってしまいます。

 

そして2つ目は、身体のエネルギー効率の悪さによって、結果的にエネルギーを消耗してしまうケースです。

 

燃費の悪い車はガソリンを大量に消耗するものですが、それと同じように身体のエネルギー効率が悪いと、エネルギーの消耗が激しくなってしまいます。

 

まずは、特定の臓器に負担をかけてしまう習慣について見ていきましょう。
あなたも心当たりがあるかもしれませんが、現代人は目と脳、そして胃腸に負担をかけ過ぎている方が多い印象を受けます。

膨大な情報を処理することに追われ疲弊する目と脳

 

仕事で毎日何時間もパソコンの画面を見つめ、プライベートな時間でも、スマートフォンやタブレットを使ってネット検索やSNS、動画などを楽しむ。

 

現代人にとってこれは何の変哲もない日常的な風景ですが、少し見方を変えると、私たちは毎日、「目と脳を酷使しながら大量の視覚情報を処理し続ける日々を送っている」ともいえます。

 

世の中に存在するあらゆる情報の量は、日々増え続けていますが、一般人がこれだけ膨大な量の情報を処理するようになったのは、間違いなく人類史上初めてのことでしょう。

 

こんな興味深いデータがあります。

 

紀元0年の頃の人間が触れることができた情報量の数値を仮に「1」と設定した場合、テレビが登場した1960年にはその情報量が「16」になり、現代の情報量は、優に「100」を超えているとするデータです。

 

16⇒100以上という爆発的な変化は、明らかにスマホやタブレットなど、新たなデバイスの出現によって、いつでもどこでもインターネットに接続できるようになったこと、そして、それに伴いゲーム、マンガ、アニメ、映画、新聞、雑誌など、さまざまなメディア、エンターテイメントに接触する機会が増えたことが原因でしょう。

 

このデータがどれほど正確かはわかりませんが、少なくとも、現代人の目や脳にかかる負担が爆発的に増えていることは間違いありません。

 

暴走した思考に振り回される脳

 

思考には2つの種類があります。

 

それは、問題を解決するための方法を導き出すための合理的な思考と、ネガティブな連想ゲームや取り越し苦労に代表される非合理的な思考です。

 

前者は、問題の解決方法を見つけるための前向きな思考であり、自分がコントロールしている思考です。

 

しかし後者は、自分がコントロールしたものではなく、望んでもいないのに勝手に生まれてくるという意味で、暴走した思考と言えます。

 

しかも、その内容のほとんどは、ネガティブな思考であることが多いので、思考する度にストレスが生まれ、そのストレスによって少しずつ脳の疲労は蓄積してしまいます。

 

一説によると人間は、1日のうちに6万回~10万回も思考すると言われていますので、暴走した思考に振り回され続ける日々がもたらす脳への負担、そして消耗するエネルギーの量は想像以上に大きいはずです。

 

世の中を見渡してみても、悩みごとが少ない方よりも、いつも悩んでいる方のほうが、疲れやすかったり、病気になりやすいのは明らかですからね。
それだけ、思考に振り回される日常はストレスが大きく、エネルギーを消耗するということなのだと思います。

食べ過ぎとストレスによって疲弊する胃腸

 

食べ過ぎた後に強い眠気やだるさを感じたり、体調が悪い時に食欲が落ちたことがある方は多いと思います。

 

沢山の食べものを消化するためには、大量のエネルギーを消耗します。

 

体調が悪い時に食欲が無くなるのも、身体を回復させるエネルギーを消耗が激しい消化活動に奪われてしまうことを防ぐためだと考えられます。
(風邪をひいた時には、沢山食べて栄養をつけるという昔ながらの考え方がありますが、これは明らかな迷信です。体調が悪い時は思い切って飲み物だけにするか、消化に良いものを食べましょう)

 

そもそも私たちの身体は、食べ過ぎることを前提に作られていません。

 

現在の私たちの身体構造とほぼ変わらないホモ・サピエンスが誕生したのは、およそ20~30万年前と言われています。

 

その頃の人間は、野生の動物を狩猟したり、植物を採集しながら、食べ物を求め移動を続けるような生活をしていました。

 

そんな生活では安定して食料を調達することは難しく、1日何も食べられないようなことも珍しくありませんでした。

 

そんな毎日を生き抜くために、人間の身体は飢餓状態に強くなっていったと考えられます。

 

つまり、私たちの身体は、構造上沢山の食べものを消化することを苦手としているわけです。

 

しかし、それに反して多くの現代人は明らかに食べ過ぎが習慣化しています。

 

私たちも、苦手な仕事をクリアするためには沢山のエネルギーを消耗するものですが、それと同じように、毎日、得意とはいえない食べ物の消化に追われている胃腸も相当消耗していると考えられます。

 

胃腸にダメージを与えるのは食べ過ぎだけではありません。
ストレスでもダメージを受けます。

 

過剰なストレスが続くと、胃酸の分泌をコントロールしている自律神経が乱れます。
すると、胃酸が過度に分泌されたり胃粘膜の血流が低下するなどして、胃にダメージが蓄積していってしまいます。

 

ストレスと食べ過ぎ。

 

違う角度からのダブルパンチによって毎日ダメージを受け続け、疲れ果てている胃腸の機能は低下しており、エネルギー効率も悪くなっています。

 

すると、ただでさえエネルギーの消耗が激しい消化活動に、さらに大量のエネルギーを使わざるをえなくなってしまいます。

 

ストレスを解消するために食べ過ぎてしまう方も少なくありませんが、ストレス→食べ過ぎ→胃腸の疲労→ストレス・・・という悪循環に陥ってしまうと、胃腸のダメージはさらに蓄積してしまうでしょう。

 

さて、多くの現代人が無自覚にエネルギーを消耗してしまっている件についてお伝えしてきました。

 

ただ、私は別にこういった習慣を頭から否定しているわけではありません。

 

一般的な現代人の価値観を考えれば、目と脳、そして胃腸に負担がかかるようなライフスタイルになってしまうことはある程度仕方ないことですしね。

 

しかし、その習慣による悪影響で慢性的にエネルギーが不足してしまうのは問題なので、目、脳、胃腸に負担をかけがちであることを知識として理解し、できるだけケアしていくことが大切だと考えています。

 

さて、次の記事で身体のエネルギー効率の悪さによって、結果的にエネルギーを消耗してしまうケースについてお伝えしていきたいと思います。

 

次の記事→身体のエネルギー効率を下げている主な原因は「冷え」と「頭熱状態」