甲状腺の病気(バセドウ病・橋本病)について

甲状腺の病気(バセドウ病・橋本病)について

甲状腺とは、新陳代謝を促進するためのホルモン(甲状腺ホルモン)を分泌する臓器です。
首の真ん中よりやや下(のどぼとけのすぐ下)に位置しており、蝶が羽を広げたような形をしています。

甲状腺の働きが強すぎると、新陳代謝が促進され過ぎ、身体は消耗傾向になってしまいます。逆に、甲状腺の働きが弱まると、新陳代謝は低下して、身体機能も低下気味になってしまいます。

甲状腺の病気のなかでも、最も多くの方にみられるのが「バセドウ病(甲状腺機能亢進症)」と「橋本病(慢性甲状腺炎)」です。
どちらの病気も、「自己免疫疾患」であるという共通点を持っています。

自己免疫疾患とは、本来、身体に入り込んだ異物に対して起こるべき免疫反応が、正常な自己の細胞を異物とみなし、免疫反応を起こしてしまう病気です。
これらは、女性に特有の病気と思われがちですが、男性の方にも起こる症状です。

バセドウ病とは

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、免疫の仕組みに異常が起こることで、甲状腺を過剰に刺激する物質が作られ、甲状腺ホルモンの分泌が多くなり過ぎる病気です。

・甲状腺の腫れ
腫れの程度はさまざまですが、多くの場合、甲状腺全体が大きくなります。

・眼球突出
バセドウ病の約3割に認められると言われています。両眼に認められることが多く、眼瞼の腫れ・結膜の充血・目の痛み・複視(物がだぶって見える)を生じる事があります。

・甲状腺機能亢進による症状
暑がり・疲れやすい・多汗・動悸・息切れ・イライラ・体重減少・手の震えなど

橋本病(慢性甲状腺炎)とは

橋本病とは、慢性的な甲状腺の炎症からくる甲状腺機能低下症です。
女性に多く見られ、病気になっていても特に目立った症状がありません。
また、仮に甲状腺に炎症を起こしていたとしても、ホルモンの分泌が不足していなければ特に問題はありません。

 

・甲状腺の腫れ
バセドウ病と同じく腫れの程度は様々ですが、多くは甲状腺全体が大きくなります。

・甲状腺機能低下による症状
元気が無い・皮膚の乾燥・寒がり・むくみ・脱毛・ひどい便秘・体重増加・遅い脈など

現代・西洋医学での見解

原因はよく分かっていないようですが、遺伝的要因や環境因子が関係しているのではないかと言われているようです。

菊地屋での見解

菊地屋では、頭熱(のぼせ)状態が引き起こすホルモンバランスの乱れが、甲状腺の病気の主な原因になっていると考えています。
(頭熱(のぼせ)についての詳細は、頭熱(のぼせ)状態が慢性化すると、なぜ危険なのか?をご覧ください。)

頭熱とは、血液が上半身に集まり過ぎてしまい、脳が充血している状態のことです。
これを「頭に血が上る」と表現することもできます。

誰でもイライラすることくらいありますし、一時的に頭に血が上る分には特に問題ありませんが、頭熱状態が慢性的に続いてしまうと、さまざまな問題が生じてきます。

例えば、物理的な問題としては、慢性的な頭熱状態により、充血した脳内は、圧力が増していき、神経や血管を圧迫してしまうことがあります。
その結果、血流が悪くなり、脳内の細胞に十分な酸素や栄養が届きにくくなるのです。

脳は、身体の中で最も酸素を消費する器官ですから、この状態が続けば脳のパフォーマンスは低下し、さまざまな問題を引き起こすことになるはずです。

甲状腺刺激を刺激するホルモンをコントロールしているのも脳(脳下垂体)であることを踏まえると、甲状腺の病気の主な原因になっているのも、この点にあるのではないかと考えています