読書について

過剰なエネルギーは、自分や他人への呪いとなる・・ 現代人の祈り 呪いと祝い (著)釈 徹宗、内田 樹、名越 康文を読んで

49045079751

現代人の祈り 呪いと祝い (サンガ新書)
釈 徹宗 (著), 内田 樹 (著), 名越 康文 (著)

〇あらすじ

政治の手法、いじめの構造、血の気の悪い場所、ネット上のコミュニケーション―古代と同様に「呪い」が活発に機能し、人々の生きる力を失わせている現代において、儀礼的行為に注目し、呪いを解く方法を提示する『呪いと祝い』『祈りの諸相』。

精神医学のパーソナリティ理論から宗教的人格について語り合い、現代人の苦悩へと踏み込む『お坊さんと精神科医による人間分析』。

法然・親鸞・道元などの肖像画から、容貌と内面の関係を探る『顔と人格』。
いま注目の三人が、宗教性の多様な側面を通して、“私”と“他者”を語りつくす。
現代人の苦悩を理解するヒントと、「呪いの時代」を生き延びる術がここにある。

〇感想

この作品の中で印象に残ったのは、思想家であり作家でもあるジョルジュ・バタイユが「呪われた部分」という著作の中に書いたとされる言葉です。
それはこんな言葉・・

「人間の生命力は過剰だ。だから分配するのだ」

さらに

「人間がもっている過剰なエネルギーは、分配したり贈与しない限り、呪いとなる」

こういう重みのある言葉に出会うと、ドキッとします。

日々、患者さんと接していると、「エネルギーがあり余り過ぎて、その過剰なエネルギーが自分を傷つける」方に向かってしまっているのではないかと感じる方がいます。

しかし、本人は、「自分にはエネルギーが足りない」と思っていることが多いので、最初からそれを伝えることはせず、段階を踏んで、取り組んでもらうことを増やしたり、趣味を増やしてみてはどうか?などと提案をしていくと、信じられないほど活発になったりします。

ジョルジュ・バタイユさんいわく、人間はエネルギーをしっかり使わないと、余ったエネルギーが悪さをするらしいです。

具体的には、「自分や他人への呪い」という形で・・

この作品の中でも2チャンネルについて触れていますが、あれを見ていると、この言葉の意味が実感を伴って分かる気がします。

2チャンネルに書き込みまくってる彼らは、おそらく、エネルギーを余らせ過ぎているのでしょう、だからこそ、余ったエネルギーで自分や他人を呪うことになるのです。

改めて、自分のエネルギーを、自分に合った形で消費していくことは、とても大切なことだと認識しました。

関連記事

  1. 患者さん向けのコンテンツ

    当院の患者さんへ。本の貸し出しについてのルール

    当院では、全ての患者さんに、特に返却期限を指定することなく自由に本を貸…

  2. 読書について

    お金持ちしか存在しな町のお話です。 乱心タウン / 山田宗樹 を読んで

    〇感想先日読んだ「百年法」がとても良かったので、他の作品はどう…

  3. 読書について

    気まぐれに発表する先月に読んだ本「2014年4月のまとめ」

    2014年4月の読書メーター読んだ本の数:5冊読んだページ数:28…

  4. 読書について

    気まぐれに発表する先月に読んだ本「2015年6月のまとめ」

    以前から、垣根涼介さんの作品は結構読んでたんですが、最近、また読み始め…

  5. 読書について

    気まぐれに発表する先月に読んだ本「2014年7月のまとめ」

    先月は、いろんなジャンルの本を読んでみました。どれも良かっ…

ブログ

  1. ヤイリギターの職人魂に共感⇒購入
  2. 「読書のススメ」患者さんには、遠慮なくどんどん本を借りて欲し…
  3. 依存する患者と支配欲が強い治療家は、共依存関係であることが多…
  4. それでも人は生きていけるものなんだという希望 おすすめの本 …
  5. 2015年に観た「113本」の映画の中から、個人的におすすめ…
  1. 患者さん向けのコンテンツ

    「読書のススメ」患者さんには、遠慮なくどんどん本を借りて欲しい
  2. 患者さん向けのコンテンツ

    私が考える、治療家にとって最も大切な仕事とは
  3. 読書について

    それでも人は生きていけるものなんだという希望 おすすめの本 「後悔と真実の色 著…
  4. 患者さん向けのコンテンツ

    子授け子育ての祈願が盛んな子之神社でお参り
  5. 読書について

    過剰なエネルギーは、自分や他人への呪いとなる・・ 現代人の祈り 呪いと祝い (著…
PAGE TOP